ペンギン日記(旧akoblog)

identityやprivacyに関心を持つ大学教員のブログ。20歳の頃から「ペンギンみたい」と言われるのでペンギン日記。

Yahoo!スコアを契機に考えた信用スコア問題点3つ

6月15日(土)の第3回情報法制シンポジウムで「信用スコア問題」のパネルに登壇する機会をいただいたので、ひとまず現時点でYahoo!スコアを契機に考えたことをまとめ直してみた。Yahoo!JAPAにとどまらず、あらゆるサービスに対して当てはまることとして。
 

1)利用者の理解と同意の問題

利用者は、規約を十分に読んで理解した上で、同意ボタンを押しているのかという問題。実は、私は2010年以降担当した全ての授業において「利用規約やプライバシーポリシーを毎回読んでいる人?」と質問をしてきたが、2019年6月時点で、「必ず規約を全部読む」と答えた人は12名だった。

 
そもそも、規約の文章は分量が多い。2005年時点でAOLの検索データから75のサイトを対象に調べたMcDonaldの研究(2008)では*1、プライバシーポリシーの分量は、最少で144Words, 最大で7,669Words(シングルスペースで、A4 16ページ分)とのこと。中央値でも 2,514words(6ページ)で、10分かかるという計算から、時給換算して「読むことのコスト」を計算している 。また、2010年には、Facebookのプライバシーポリシーが、アメリカ合衆国憲法よりも分量が多いというニュースが出た。
 
 現在、読みやすく整理された規約やポリシーが増えてきたとはいうものの、利用者は必ずしも注意を払って判断しているわけではなく、むしろ労力をかけずに選択行動をしているようだ。 Knijnenburgら(2013)の実証研究によれば*2 既に個人情報が入力されている状態では利用者は敢えてそれを消さないし、逆に空欄だからといって敢えて入力もしない傾向があるという。
オンになっていれば、敢えてオフにしない。逆に言えば、オフにしていたらオンにしてくれないということだ。

事業者側は「全部書いたから読んでね」「読んだ上で同意ボタン押したよね」という立場でも、利用者側は読まずに同意ボタンを押しているとしたら、その同意は実質的なものなのか、という疑問は拭えない。とは言っても、あらゆるサービスにおいて丹念に読み、判断することを人間に求めること自体が、既に人間の限界にあるわけで、ここの技術的支援は必要と考える。読みやすくするというKantara InitiativeのInformation Sharing Labelや、MozillaのPrivacy Icon*3 のように視覚的に分かりやすく表現する試みがあるにはある。
さらには、プライバシーポリシーの矛盾の検出(Such et al, 2016)*4 や、GDPR対応のために機械学習によってプライバシーポリシーのベンチマーキングする研究(Tesfay et al, 2018)*5 などがある

重要な判断をすべきところは、「読んだよね?」という建前ではなく、実効的に同意できる仕組みは必要だ。

2)サービスによる採点結果(スコア)はMy Dataではないのか?

 Yahoo!スコアにせよ、みずほ銀行ソフトバンクによるJ.Scoreにせよ、それらはサービス側が、利用者のデータに基づいて、利用者を採点した結果を使うものと言える。
 
採点対象となるデータ、すなわち利用者が提供する情報については、利用規約第2章のプライバシーポリシーおよび、そこからリンクされているプライバシーセンターのデータの取得ページに説明が描かれている。サービスを利用している以上、これに同意したことにはなっている。ここまではいい。
 では、これらのデータから生み出された情報(=採点結果/スコアを含む)についてはどうするか?
 
例を変えよう。たとえば、ECサイトで購入している服のサイズが大きいものに変わったという購買履歴と、ダイエットについての検索履歴からわかることについては? これは、履歴からの計算結果なので個人情報ではない?同様の行動をする人が何を買っているかという傾向から、ダイエット関連サービスがリコメンドされるなら、サービス向上として受け入れられる可能性は高い。実際、Amazonのリコメンデーションは大いに強みだ。しかし、その優劣を評価する仕組みとなったら?肥満からの健康リスクや審美性といった、人間が設計した評価基準に基づいた採点結果=スコアは誰のものになる?
スコアを「機械的に推定・算出」のアルゴリズムを作るのは、当然ながら人間であり、そのサービスの評価基準に基づく。あるサイトの基準では、先述の体重増加は健康リスクと評価され、別のサイトの基準では優良購買者と評価される可能性もある。この結果を、利用者自身が見られないというのは問題だと思う一方で、これが個人情報に該当しないのであればなるほどな、とも思う。ここは法的にどうなのか、法律のご専門の方に聞いてみたい。
 

3)スコアはどこまで振る舞いを変えるのか

話をYahoo!スコアに戻す。サービス提供者から見て好ましい行動をとるユーザは高スコアを得て、好ましくない行動をとるならば低スコアとなる−であれば、プラットフォームたるYahoo!JAPANは利用者たちの行動を相当にコントロールできることにならないか。たしかに、ヘイト投稿や明らかな嫌がらせといった違反行為の抑止にはなり得るかもしれないが、その他の行動はどうか。
たとえば、利用データに挙げられている「Yahoo!知恵袋」の「活躍度」とは、投稿数なのか、ベストアンサーの割合なのか、あるいは回答数を稼いだ質問なのか。そのパターンが見えてくれば、他社にも提供されるスコアを上げるために、利用者たちはサービスの使い方や行動を変えるかもしれない。その結果は、炎上や誹謗中傷のない穏やかなコミュニティかもしれないし、自分のスコアを上げることを優先するような利用かもしれない。また、常に監視されていることを意識しながら、抑制された自己開示しかなされないコミュニティかもしれない。
 
 それでも、実は、私個人はYahoo!スコアがついた状態でYahoo! JAPANサービスを使うだけならば、自分でそのスコアを確認できるという条件つきではあるが、それほど悪くないとは思っている。性別と年代のステレオタイプで判断されるのは、もううんざりだ。40代女性だから云々というよりは、オンラインの行動を見て評価したりリコメンドしたりして欲しい。知恵袋でベストアンサーとなるべくまっとうな回答を投稿したり、購入したもののクチコミを書いたり。もちろん、支払いの滞納もせず、違反行為もせず、個人情報も提供しており、ニックネームは使っているけれどいざとなれば社は本人を特定できる、という「ハイスコアユーザ」になって、Yahoo! JAPANサービスの恩恵を受けられるという話なら、まだありかもしれない思うのだ。
 
けれども、それはYahoo! JAPANというサービスの系の内に閉じている限りにおいて、だ。他サービスへのスコア提供について、事例紹介を見ると、スコアの高いユーザとマナーの良さや、仕事の積極性に相関関係があることがわかった、といったことが書かれている。

info-score.yahoo.co.jp

相関関係があるので、仮に私が「すごい知恵袋ユーザ」でYahoo!スコアが高くなったとして、その評価が、例えばランサーズで仕事をもらう上でも使われるということなのか? それは、コンテクストが違うのではないか。
 
このほか、ID連携時のアンバンドルの問題とか(Yahoo!スコアに関しては、藤代さんのブログの追記によればスコアをオフにした上でID連携すればよい、という話があるが)、サービスを利用しなかったり、匿名で利用したりした場合に利用者が不利益をこうむるのではないかといった疑問はあるが、ひとまずここまで。

*1:McDonald, A. M., and Cranor, L. F. 2008. “The Cost of Reading Privacy Policies,” A Journal of Law and Policy for the Information Society (4:3), pp. 1–22.

*2:Knijnenburg, B. P. ;, Kobsa, A., Jin, H., Hall, and Kobsa, Alfred; Jin, H. 2013. “Counteracting the Negative Effect of Form Auto-Completion on the Privacy Caluclus,” in ICIS2013, pp. 1–21.

*3:Privacy Iconは検索すると山のようにでてくるが、Mozillaの色分けはISO 22324 Societal security --- Emergency management --- Guidelines for colour-coded alerts に準じて緑と黄色で描かれている

*4:Jose M. Such and Michael Rovatsos. 2016. Privacy Policy Negotiation in Social Media. ACM Trans. Auton. Adapt. Syst. 11, 1, Article 4 (February 2016), 29 pages. DOI=http://dx.doi.org/10.1145/2821512

*5:Welderufael B. Tesfay, Peter Hofmann, Toru Nakamura, Shinsaku Kiyomoto, and Jetzabel Serna. 2018. PrivacyGuide: Towards an Implementation of the EU GDPR on Internet Privacy Policy Evaluation. In Proceedings of the Fourth ACM International Workshop on Security and Privacy Analytics (IWSPA '18). ACM, New York, NY, USA, 15-21. DOI: https://doi.org/10.1145/3180445.3180447

Yahoo!スコアへの強烈な違和感

6月3日プレスリリースされた「Yahoo!スコア」について、藤代裕之さんのブログ記事や、Facebookでの友人たちの反応から知った。

慌ててメールをあさったが、Yahoo! JAPANからこのサービス開始についてのメールは届いていない。しかも、初期状態ではスコア利用は「オン」になっていたため、敢えてプレスリリースを自分からチェックしない限りは、同意したものとして自分のスコアが作られ使われる状態にあったということだ。

慌ててアクセスして「オフ」にした際に、パートナー企業におけるスコアの利用について同じページに書かれていたが、さすがにオプトインで、同意したユーザのみとなるとのことだった。ID連携の際の同意でスコア利用となり、後から無効化のオプトアウトだった。

 

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about.yahoo.co.jp

Yahoo!スコアで利用するデータについては、ヘルプページに記載はされているが、藤代さんのブログでは確認できた「※なお、お客様ご自身のYahoo!スコアを確認できる機能についても、今後提供することを検討してまいります」という記述は、6月8日(土)の午後時点、以下のページでは見つけられない。自分のスコアも確認できない状況で、どうやってそのスコアの提供可否を判断しろというのだろうか?

www.yahoo-help.jp

 

そして、一企業によるこのスコアリングは、どういったものになるのか。カテゴリーと利用データを見ていても、疑問は多い。本人確認はまだしも、消費行動やサービス利用となると、ここには恣意的な判断基準が使われうる懸念が拭えない。たとえば、Yahoo! ブログで書いた記事が、一部の読者の批判を受けたとしたら?議論を巻き起こすようなものになったとしたら?他のユーザが意図的に悪い評価をつける、といったことおきたら?Yahoo!JAPANのサービスを批判したら?それらがすべてネガティブ評価となり、他のサービスを受ける上での不利益になるという可能性は、本当にないのだろうか。

 

自分でも確認できないスコアリングのために、ネット上では無難な言論しか表明できず、想定された「いい子」のユーザになることを求められるのかと、強烈に違和感を覚えているのが正直な気持ちだ。自分のデータは自分のものであるはずなのに。

 

ともかく、このサービスの存在、そしてオプトアウトは可能だということは、すぐにでも全ユーザに知らせるべきことだ。

 

追記:6月9日 10:50時点のスクリーンショット。やはり、自分に関するスコア確認についての記述はない。

 

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2019-06-09-1050スクリーンショット

 

2018年振り返って

3人の子ども達がぐんと丈夫になったのが、何よりも有り難かった。それでも、いろいろなことがあった1年だった。

北海道胆振東部地震

子連れで学会参加中に遭遇。幸い延泊できた上に自家発電のあるホテルで本当に助かったが、乳幼児3人連れでは身動き取れず、リスクも侵せず、一人のときとはまったく違う動きになった。情報収集と情報発信においても、貴重な実体験になった。Twitterで書くこと、FBで書くことは違っていたし、「大丈夫ですか?」というメッセージをいただいても、返すリソースすらない状況を痛感した。このあたりは別記事に近々書こうと思う。11月に、授業ではまとめてお話した。

研究生活

 まずは、未成年のネットリテラシー関連。RISTEX「未成年者のネットリスクを軽減する社会システムの構築 」の海外ヒアリング(タイと台湾)、国内ヒアリング、実地調査をどうにかやってきた。6月には横浜でのPACIS2018のPanelを実施、10月には、OECDのWorkshop(スイス・チューリッヒ)で日本の状況を報告する機会をいただいた。

 

 「死後のプライバシー」関連では、科研費最後の一年、途中第三子出産とその後の諸々で遅れた分を取り戻すべく進めてたところで、NHKの取材を受けた。

www.nhk.or.jp

本や論文を読む時間は、昨年よりずっと取れたとは思う。年初のころは読んだものをブログに書いたりしていたが、それは早々に挫折。ただ、読んだメモはEvernoteに残す他、本は読書メーターに記録しているので、それでいいかと割り切った。夏からは新聞も購読を再開。紙面で一覧できる情報が逆に新鮮になった。

今年も執筆進められなかった原稿が、、、、これだけはかなり反省。

子育て&プライベート

2019年の4月からは、上の子が小学校に入学。いわゆる小1の壁と言われる就学時の働き方を考えなければならない。様々な選択肢の中から、早めに情報収集し、本人と一緒に見学にも出向き、どうにか11月には学童の行き先決定して一安心した。

自分でいろいろなことができる年長児、逆に向き合って話をすること、一緒に何かをすることを求めてくる。世界地図、昆虫、漢字と次々広がる興味についていくのは、片手間ではできなくなってきたので、自宅では私の机の横に子どもの机を置いた。

サメに夢中な次男とは、沼口麻子さんのサメ談話会にも一緒に参加したし、水族館にもたくさん行ったし、主に軟骨魚類について大いに勉強することになった。本人の情報ソースは、日本語の図鑑、英語の図鑑、YouTubeの動画(多くは英語)なので、「これ日本語でなんていうの?」と聞かれると調べざるをえない。

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昨年は熱ばかり出していた末っ子は、格段に強くなった。去年はこう書いていたのだが、今年はヘルパンギーナ1回、発熱2〜3回くらい?思い出せないほど。最初に一気に免疫をつけたのかもしれない。

「なんでこの子ばっかりこんなに病気するんでしょうか」と病児保育室でこぼしてしまったら「そりゃ上に2人いたら、たくさん病気もらってくるし、上の子たちは強いから熱出さなくても、小さい子はまだ熱出しちゃうからねえ」と言われた。そうかもしれない。いちばん上の子は、末っ子がかかった病気のいずれも全くかからず、両親もかかったインフルエンザにもならなかった。いつのまに強くなっていた子に驚きつつも、早く末っ子も強くなって欲しいと切望している。

夏休みには、子連れで数家族でコテージを借り切って泊まったり、週末に友達一家と遊んだりなど、親も子も一緒に遊ぶ機会が増えた。

ジム通い

12月からジム通いを再開。2〜3日に1回の筋トレ効果は、1ヶ月経過の今、冷えなくなった&肩こり解消 が大きい。効果が見えてくると楽しい。これは40代半ばにさしかかった今、体力維持のために続けなければと思う。

振り返り

 1月:昨年まで続いていた子どもたちの病気リレーが一段落と思いきや、私が酷い結膜炎で年初はなにもできず。1月22日は、大雪の中、仕事の会食は予定通り。店を出たら真っ白の世界だったのを覚えている。子ども達のパスポートを手配。特に乳児の写真を撮るのに苦戦する。

 

 2月:上の子がインフルエンザA罹患。家庭内で母子と父子らで完全隔離。子連れでハワイのWorkshopに出張。続いてタイ・バンコクヒアリング出張。タイの合同庁舎の巨大さに圧倒されてきた。

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 3月:経営情報学会にて、ゼミ生たちがポスター発表。指導教員の自分も緊張するが、学生達の学会発表はどんどんやっていきたい。情報処理学会全国大会の例年のパネル登壇。その後、初めてひどい副鼻腔炎になってしまい、顔面痛でのたうちまわる。耳鼻科受診後、台湾・台北ヒアリング出張。機内の変圧が大変苦しい。戻って来たその足で子ども達とボス・ベイビーの映画を見に行った。なお、副鼻腔炎時にかかりつけの耳鼻科で勧められたのが携帯用の鼻洗浄・鼻クリーンS。出張にも当然持参した。月末、ふと髪をバッサリ切ったが、ダイエットの必要性を痛感する結果になった。

 

ハナクリーンS

ハナクリーンS

 

 

 4月:新年度。新学科のプロジェクト科目始動。子ども達は元気で、週末に遠出もできるようになった。この頃の写真を見ると親の方が顔が疲れている。

 

 5月:ドイツ・ハイルブロンでGenderITに参加。初めてのドイツ、どこに行ってもたばこの煙で辛かった。この頃から、週末の度に3人連れて動物園へ。バスで行ったり歩いて行ったり。

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 6月:広報担当の実行委員として関わってきたPACIS2018、月末に横浜で開催。

TwitterFacebookでの広報仕事とPanelのChair仕事。早い梅雨明けと重なった。

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また、損害保険ジャパン日本興亜株式会社様との、AIスピーカーを用いたゲスト講義の準備を進める。なんと、中学・高校の同級生とのご縁でいただいた仕事。

という、忙しい時期にもかかわらず、ダンジョンメーカーにハマってしまって相当な時間を溶かす。ほんと、アホだ。ただ、こんなに簡単にゲームにハマるし抜けられないことを実感できたのは確か。

 

 7月:

ICPC:情報通信政策研究会議にゼミ生たちが参加。3月の学会発表をだいぶ膨らませてきた。SOMPO様からAIスピーカーのゲスト講義をいただいたり、NHKクローズアップ現代+の取材を受けたり。NHK取材は朝から授業を含め、さらに研究室での取材と一日にわたるものだった。「どんなに散らかっていても、ピカピカの研究室に撮ります!」というのはさすが。中央大学ビジネススクールの夜の講義や、筑波大学の集中講義など、授業が集中した月でもあった。

プライベートでは、次男と一緒にサメ談話会に参加。自己紹介では自分の「推しザメ」を言う。次男はホオジロザメジンベイザメ、アカシュモクザメと自己紹介。なお、私はヨシキリザメ。

kokucheese.com

アプリを読書メーターに乗り換え、同時に直木賞作品をKindleで一気に読んだ。

 

ファーストラヴ

ファーストラヴ

 

 

 8月:3日連続のオープンキャンパスは、1日めが台風予報で中止。学童の説明会に子どもと一緒に行く。

生まれて初めて、東京地方裁判所にて裁判も傍聴した。サイボウズ・青野慶久社長の夫婦別姓訴訟だ。

sentakuteki.qloba.com

複数家族でコテージ旅行とか、休暇も久々に楽しめた。

日常生活でHabitica導入。これ以降、ゲームを殆どしなくなった。

今年読んだ本でいちばんの傑作だったリアルサイズ古生物図鑑購入。子ども達まで「アノマロカリス、冷やしてる!」と言うように。

古生物のサイズが実感できる!  リアルサイズ古生物図鑑 古生代編

古生物のサイズが実感できる! リアルサイズ古生物図鑑 古生代編

 

 

 9月:教育システム情報学会の全国大会に夫共々参加するため、家族全員で札幌へ。託児サービスも利用していたが、最終日の前の日の夜に、北海道胆振東部地震、そして道内停電。数日遅れで帰着。次男と三男も風邪を引き、親たちは風邪をこじらせた。長男だけ変わらず元気。かすれた声でDPS/EIP@岡山大学に参加。

 

 

10月:倫理審査の手続き&科研申請の1ヶ月。中旬には、OECDのWorkshopに参加し、報告。非常に密度の濃い2日間だった。チューリッヒの町を歩けたのは数時間程度。物価の高さ=日本円の弱さに唖然とした。

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www.oecd.org

 

11月:見学や説明会を経て、学童決まる。ほっとした。あまりに頭痛が続くので、受診すると緊張型頭痛ぽい。細かいところを気をつけながらストレッチや運動を心がけるようになった。

 

 

12月:ゼミ合宿@石川県金沢市。ジム通いを再開し、隙間を見ては運動中。歯科治療で、神経に直接麻酔注射という、人生最大の激痛を経験した。もうやだ・・。

ニュー選択的夫婦別姓訴訟、尋問と結審を傍聴した。女性差別として扱われた問題について、改姓した男性が、ご自身のアイデンティティの問題だけでなく、経済的なデメリット、親として日常生活を過ごす上でのデメリットも併せて主張されたのは本当に強い説得力を持っていた。

 

 

本年は大変お世話になりました。ようやくいろいろなことができるようになってきました。来年もどうぞよろしくお願いします。

 

 

2018年使ってよかったアプリ5つ

2018年に使い込んだアプリから、お勧めのものを5つ。今年は記録系が多かった。記録するのが面倒で止まりがちだったが、読書メーターのように可視化されると面白くなるし、Habiticaにアプリ記録を習慣として登録しておくと、タスク消化時にゲームの報酬がもらえることもあって、結構続けられている。

 

5位 WATCHA

 ランダムで表示される映画を次々評価していくと、自分の好みにあった候補を出してくれる。かなり古い映画も提案されるので、「そういえば昔みたなー」と懐かしくチェックでき、空き時間にちまちまと見ている。

 

WATCHA | あなた好みの映画・ドラマ・アニメをおすすめ

WATCHA | あなた好みの映画・ドラマ・アニメをおすすめ

  • Frograms
  • エンターテインメント
  • 無料

 

4位  Fitness Archive

  ジムで筋トレを始めてから使うようになった。運動を記録しておくと、いわゆる「超回復期」が過ぎると、「筋トレをしましょう」とリマインドしてくれる。シンプルで記録しやすい。

 

筋トレ記録アプリ フィットネスアーカイブ

筋トレ記録アプリ フィットネスアーカイブ

  • Cross Planet, Inc.
  • ヘルスケア/フィットネス
  • 無料

 

3位 Filmarks

  映画を記録。WATCHAよりも細かく、観たときのことを記録できる。今年は子ども達と映画館に行ったり、機内で観たりしたので、記録したくて探したアプリ。使いやすい。

Filmarks(フィルマークス)

Filmarks(フィルマークス)

  • 株式会社つみき
  • エンターテインメント
  • 無料

 

 

2位 読書メーター

 長らく使っていたブクログからお引っ越し。「読みたい本」を記録しておけるので、書評や広告を目にしたときにすぐ登録しておくと、書店で買うときに便利。自分がどのくらい読書しているかも可視化されるので、隙間時間も読書しようという気持ちになった。実際、このアプリを使うようになってから読書量はアップ。読んだ本を登録しやすいのもよい。似たような読書傾向がある人を表示してくれるので、そういった人が読んだ本をたどるのもまた楽しい。 

 

1位 Habitica

 とにかく、このアプリで完全に生活習慣が変わった。

日常生活を「ゲーム」にしてしまおう!というチェックリストのアプリ。習慣にしたいこと・日課・Todoにリストを設定し、終わってチェックすると経験値やゴールド、アイテムが手に入る。友達とパーティーを組むと、毎日タスクをこなすことで敵にダメージを与えることができる。タスクは階層化できるので、例えば私の場合は「授業準備」の下に科目名と作業をサブタスクとして入れて使っている。

 つい何かに気を取られると、それに集中してしまって他のことを忘れがちな私だが、このアプリを導入してかなり改善した。やるべきことを可視化しておける上に、〆切のあるTodoと、毎日やるべきこと、できれば習慣にしたいことと分けておけるのも、優先順位をつけられてよい。タスクをこなすとすぐに「ごほうび」がもらえるのもよい。

 

Habitica: Gamified Taskmanager

Habitica: Gamified Taskmanager

  • HabitRPG, Inc
  • 仕事効率化
  • 無料

 

番外編

  まともな生活を送りたければ、お勧めしない。が、それほどハマった。

 うっかりこのゲームをインストールしてから、ほぼ2ヶ月近く、通勤中の全ての時間このゲームをしていたし、あげくの果てには家事の合間にも突つくようになった。しかも、止められない。時間を溶かすという表現があるが、まったくその通りになった。止められたのは、上記のHabiticaをインストールしてから。現実生活をゲームにした方が面白い。さらに読書メーターで本を読むようになってから、まったくこのゲームを開かなくなった。

 

ダンジョンメーカー

ダンジョンメーカー

  • GameCoaster
  • ゲーム
  • ¥240

 

石川県・金沢市にてゼミ旅行

わがゼミで遠出のゼミ合宿/旅行をするのは、実は初めてだった。ほぼ2年おきに3人出産したので、妊娠中だったり産後すぐだったりで、なかなか遠くに行けなかった。ようやく今回、石川県・金沢市へ。本州は陸路移動が本学の基本ルールだが、ANAの旅作はびっくりするほど安かった。陸路の片道+αで、往復フライトにホテル代まで含まれる。もう、新幹線がメインの手段になったということかな。

 

初日は、学生たちが市内を回り、私は授業が終わってから空路で小松空港へ。数年ぶりのフライトだが、羽田空港で既にびっくり。沖止めでバス移動だし、機材が小さい。ナローボディのA311。HND-KMQってB-777とか飛んでなかったっけ・・。

 

2日目は、金沢大学の井出明先生をお招きしての勉強会。場所はスペースマーケットで前日に予約*1。大型テレビにはHDMIでPCもつなげるとのことで安心。観光で訪れる駅の東側とは反対側、西口方面に徒歩10分。マンションやビルが多く、20年前までは農地だったという。

www.spacemarket.com

井出先生からは、金沢の歴史についてお話をいただいた。金沢といえば、前田家と加賀百万石だと思ってきたが、実質的には80万石だったという衝撃な話からスタート。これについては、以下の本を紹介された。お金がなくて、お食い初めを祝うために、半紙に絵を書いた話もあるそうだ。

武士の家計簿

武士の家計簿

 
 
加賀→金沢→石川と、かつての前田藩の呼び名を変えることで新たな時代に入っていくわけだが・・・浦上四番崩れの隠れキリシタンが金沢に連れて来られた話や、薩摩藩出身の知事による産業革命の失敗、そして現在の文化都市としての金沢に至る話を伺った。
 

午後からは、見学へ。井出先生にご紹介いただいた足軽資料館から。

www.kanazawa-kankoukyoukai.or.jp

 

 

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それなりの広さも、庭もある足軽邸を抜け、長町武家屋敷跡を歩いた。

 

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そのまま、金沢21世紀美術館まで歩いた。https://www.kanazawa21.jp/

 

*1:実は前日になって、1日間違えて別の会議室を予約してたことに気づいた。

Gender&IT 2018に参加

ドイツのハイルブロンで開催された Gender & IT 2018に参加し、ポスター発表をした。

gender-wissen-informatik.com

この会議、昨年秋10月末が投稿〆切だったが、投稿者も他の投稿の査読を行うというものだった。1本あたり2名の査読者+1名のメタ・レビューアがつく。提出しほっとしたのもつかの間、私も3本のPaperを査読しコメントを書いた。

12月に査読結果で「条件付き採録」となっていたが、査読コメントが非常に丁寧で、特にメタ・レビューアからは関連分野の論文リストもつけてもらった。ここからCamera Readyを出すまで2か月。じっくり直して再提出してねという話である*1 実際、今回は追加の論文も読んだし、考えたし、初稿以上に時間をかけて第二稿を書いた。

投稿者同士がレビューするということは、この分野に関心が高い人達のレビューになるわけで、私もかなりコメントを丁寧に書いたし、私がもらったコメントも丁寧だった。このときから既に、早く会議で発表見たいという気持ちが高ぶってくる。いい案だと思った。

 

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会議の参加者は100名強。投稿数は55本、Long Paper19本 Short Paper (Poster) 20本が採択となったとのこと。女性の参加者、そしてアカデミアの参加者が多かったが、もちろん男性も産業界の参加者もそれなりには見かけた。ただ、アジア人は私一人だった。そのせいか「この会議のためだけに来たの?!」と何度か聞かれてしまった。いや、何かのついでという方が難しいし・・このくらの規模の会議は、しっかり議論できるのでむしろ来る意味があるわけだが・・。

 

発表内容、扱われるトピックは多岐に渡っていた。全体を見ると、とてもざっくり言えば、性差で二分することへの疑問と、性差を無視することへの疑問、両方が議論されていたと思う。生物としての性は、例外はあれど男女で二分できるけれど、いわゆるジェンダーは、たとえば男子だから女子だからと二つだけに分けて扱ってよいのかという話だ。一方、たとえば自動運転車の座席の設計には、性差を考慮すべきでは?という発表もあったのだが、性差をないものとする、そしてそもそも男性を基準としているものを見直すべきれはないかという話だ。

男性や女性に対して暗黙に持っているStereotypeについても、結構顕著に出てきている例があった。ポスター発表だったが、ロボットに名前を付ける実験の結果、従来女性の仕事(お世話をする)と思われたことをするロボットには女性名がつけられる傾向があったという。

私がポスターで発表したのは、"What is your "formal" name?" 。従来はオンラインでは自由に名前を名乗れた。今はリアルな生活を反映させるSNSが普及して、現実の社会的なコンテクストやアイデンティティをそちらにも反映せざるを得ない。特に、結婚改姓しつつ旧姓と戸籍姓の二つの名前を使う人はどうなのかというのを、年賀状の話とFBの話を並べて示した。が、まず前提で「日本では夫婦同姓の選択肢しかない、別姓も結合姓も不可」で驚かれてしまう。その上で、そのSocial Normがオンラインにも及ぶのだろうかとか、逆に自由に名乗ったとしても例えば死亡時にどうやって本人確認する?など、ポスター発表の時間を超えてたくさんの話ができた。

なお、この会議ではregistration時に写真の可否・Twitter掲載の可否を聞かれた。NGの場合、名札に色付きシールが貼られる。分かりやすくてよかった。

2日間の会議だったが、2パラレルでみっちり。ランチやディナーでも話せたし、ポスターは貼りっぱなしなのでセッション外でも話すことができた。名刺交換した相手からは、ホテルに帰るとすぐにLinkedInのInvitation。便利になった。

*1:あとはACMのフォーマットにするのに皆苦労したというのもある。

2018.4 Input-List

4月に通読した論文のリスト。やっとペースを戻した。

  1. Edwards, L., & Harbinja, E. (2013). Protecting Post-Mortem Privacy: Reconsidering the Privacy Interests of the Deceased in a Digital World. Cardozo Arts & Entertainment Law Journal, 32, 83–129.
  2. 保足和之:消費者生活相談にみる若者の消費者トラブルの現状と課題 国民生活研究57(2)pp.60-73. 2017.12
  3. Massimi, M. (2009). Dying , Death , and Mortality : Towards Thanatosensitivity in HCI. In CHI2009 (pp. 2459–2468).

  4. Edina Harbinja: Post-mortem privacy 2.0: theory, law, and technology. INTERNATIONAL REVIEW OF LAW, COMPUTERS & TECHNOLOGY, 2017VOL. 31, NO. 1, 26–42, 2017
  5. Buitelaar, J.C. Post-mortem privacy and informational self-determination. Ethics Inf Technol (2017) 19: 129

4月に通読した書籍は5冊。記録はあこぺんぎんの読書記録 (oritako) - ブクログに。今回はどれも面白かったので簡単なレビューを。

 

図書館の新着コーナーで目についた借りた本。一つ一つのケースが細かく書かれている。なんでそこでまた手を出しちゃうんだ!!と悔しくもなるが、そうなってしまう状況まで書かれていて、どうにもならないもどかしさを何度も感じながら読んだ。

ダルクの日々―薬物依存者たちの生活と人生(ライフ)

ダルクの日々―薬物依存者たちの生活と人生(ライフ)

 

 

井戸田先生による本。氏や姓の説明から、武家の夫婦別氏を経て明治民法で夫婦同氏が定められるまで、そしてその後今に至るまでが丁寧に書かれている。明治時代、政府の政策は、「妻が生家の氏を名乗る夫婦別氏」だったのが、「それは実態にそぐわないから同氏にすべき」と各地から反発があって、今の夫婦同氏になったという話は初めて知った。太政官から「夫婦同氏を認めることは歴史に反することになり、大きな混乱が生じるおそれ。夫婦別氏の慣習に従うべき」という発言もあったとのことで、当時の夫婦別姓→夫婦同姓への混乱について詳しく読めたのは収穫だった。

夫婦の氏を考える

夫婦の氏を考える

 

 

 それなりに大きい本なのに、通勤中持ち歩いてずっと読んでいた。1つのエピソードは2〜4ページだが、文字通り手に汗を握る。地図と出来事が図になっているので、それを追いながら文章を読む。ただ文章は訳が今ひとつなのか、読みづらいところもあった。雪山のサバイバル、事故、戦争、遭難、誘拐・・どうしようもない厳しい自然から生き延びる話だけでなく、戦争や誘拐は、なぜ人はここまで残酷なことができるのかということも突きつけてきた。

本当にあった 奇跡のサバイバル60

本当にあった 奇跡のサバイバル60

 

 

 ずっと楽しみで予約注文していた本。水谷さるころさんと私は同じ学年の同年代。頭の中にもの凄くふるーい考えの何かが住んでいて、自分をどんどん縛ってしまう感覚、この年代特有なのだろうかとも思った。初めての子どもを産休明けに認可外に預けたこと、別姓の夫婦が「チーム名」を決めるために行う手続きは、私も直面した場面。実際の意思決定は彼女と必ずしも同じではないけれど、「そうだよねえ」と強く共感できるのが、このマンガの凄いところ。それぞれの人に合わせて作っていくんだよというメッセージが一貫していた。マイルくんの成長に合わせて、この続きも読みたいものです。

目指せ! 夫婦ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで

目指せ! 夫婦ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで

 

 

こちらもずっと気になっていた本。やっとKindleで読めた。「だってそういうものだから」と自分で自分を縛っていたことを自覚させられるものだった。印象に残ったのは「すごい採用」と「すごくない採用」。すごい採用=皆が雇いたがる凄い人を雇う、かと思いきやまったく逆で、他の会社では採用されづらい、制限のある人を雇うという話。

会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。

会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。