ペンギン日記(旧akoblog)

identityやprivacyに関心を持つ大学教員のブログ。20歳の頃から「ペンギンみたい」と言われるのでペンギン日記。

入院・手術と裏アカウント

先月下旬、とある良性疾患のために手術を受けた。このブログを書いている時点で、神奈川県では延期すべき手術に入っており、ギリギリの時期だったと思う。術後、半月以上経ったので少し記録を残しておく。

 

入院まで〜裏アカウント作成

手術が決まったのは5月の時点。それまで「ワクチン接種できてからがいいです」と申し上げてたのだが、「秋になるかもしれないし、その頃コロナがどうなってるか分からない。受けられるときに早く手術した方がよい」と言われ、授業への影響を考えて7月に設定した。その頃は、横浜市で高齢者のワクチン接種予約に四苦八苦してた頃でもあったし自分の接種はずっと先だろうとは思っていた。

6月中に、術前術後のワクチン接種について聞いたところ、「術前ならば2回接種後2週間空ける。術後なら2週間〜1ヶ月空ける」という説明だった。なお、接種については、7月には「術後1週間でOK」に変更になった。

 

入院の準備は、出張準備に似ていた。

2020年以降、出張ゼロだったので自分だけが外泊するのが久しぶりすぎた。術後の経過によって何があれば便利かを検索しまくったが、やや古い経験談のブログは見つかるものの、直近のものは意外に見つからない。みんなブログ書かなくなっちゃったし!(自分もだが…)

数少ないブログから、同じ手術を受ける人を探し出して呼んだり、Facebookの公開投稿で検索したり、Twitterで検索したり。

ついには、Twitterで裏アカウントを作成して*1、キーワードにひっかかった人を片っ端からフォローした。面白いことに、入院・手術のためのアカウントを作っている人は少なくなく、普段のアカウントとは切り離し、そのトピックだけをツイートされていた。(自分もだが…)やがて、同じ時期や、なんと同じ日に手術を受ける人とつながり、入院準備に向けて毎日お互いにリプライを飛ばし合う日々が続いた。持ち物についても、ちょっとした相談やモノの紹介ができて助かった。

 

入院〜手術

ここからは、同じような状況で検索した誰かに届くように。

<入院時>
  • 病室に入室後、抗原検査とPCR検査があった(いずれも鼻)*2。陰性結果が出るまで、入院のリングは巻かれないが、採血や書類のサインは病室内で先にやっていた。結構時間が経ってから「あ、陰性でしたのでリング巻きますねー」と。待っている間は、無いとは思っていてもやはり気になって昼食も入らず。
  • 前日は特にやることなく、手持ち無沙汰。かといって採点仕事も持ち込めず、久々に本を読んだりオリンピック中継を見たりしていた。
<手術〜直後>
  • 前夜から禁食、朝からは水も不可。
  • 手術の間、家族は病室で待機。
  • 術着に着替えて、歩いて手術室に行く。新しい手術室は壁に大きなモニターがあり、自分のバイタル情報が表示される。すごいなあ。どの麻酔で落ちたのかすら記憶無し。
  • 呼ばれて目覚めると、吐き気と不快感。ベッドのまま病室に戻るが、ベッドサイドにかけてもらったバッグのスマホを手に取ることもできない。身動きが取れない。
  • 「痛み止めを追加できるが、吐き気も起こる」と言われて、試しに追加したら吐き気の方が強くて痛みをガマンすることにした。
  • 点滴、カテーテル、酸素カニューレ、心電図と管だらけ。酸素はすぐ外された。
  • 腹腔鏡手術で二酸化炭素ガスを体内に入れるため、全身がげっぷ前の胃のように膨満感あり。
  • 術後の夜は、痛みと吐き気と不快さ+寝返り打てないので、うとうとするのみ。寝かけた頃に看護師さんがやってきて血圧と検温とお腹の様子見で起きる繰り返し。暑くて暑くて、エアコンの設定を下限まで下げてもらった。
  • 思ったより喉が渇かず、水が欲しいとは思わなかった。水分・電解質・糖分補給の点滴のおかげか。
  • 事前にSNSやブログで「術後がいちばん辛いが、その後どんどん楽になる」と読んでいたのでそれを思い出しつつ、もうこんな思いをしたくないので健康に気をつけようとひたすら思う。
<翌日〜退院>
  • 翌朝、腸が動いているのを確認してから、点滴だけになって身動き取れるようになった。腕の力でなんとか起き上がり、点滴の棒に捕まって数歩歩く。ここから一気に回復を実感。痛みは飲み薬で抑えられた。
  • 歩く度に身体からガスが抜けて不快感が減る。かといって、ぐるぐる歩いていると、ぶつっと電池切れのように疲れる。
  • 手術翌日の食事は昼食からだが、殆どとれず。吐き気が続く。翌々日になってようやく食べられるようになった。
  • 手術翌日は、スマートフォンを手にとり、子どもからのメッセージを読むだけでとても疲れて返事も書けない。普段、SNSを見ているだけでも相当にエネルギー使ってたんだなあと思い知る。翌々日から少しずつ返事を書いたりするも、画面を見るだけで疲れる。
  • 本を読むのは疲れずにできたので、持ち込んだ本を読みながら過ごした。紙に印刷された文字の方が楽に頭に入ってきたし、疲れなかった。
  • シャワーを浴びるだけでどっと疲れた。
  • 術後3日目で退院。短いと思ったけど、この頃には歩けるし、問題なし。
<その他>
  • 緊急連絡先に家族らの名前を書いておくのだが、戸籍上の配偶者なのかとか、その名前が戸籍姓か旧姓かということのツッコミはなく、書いた相手に書いたとおりの名前で連絡をしてくれた。
  • この状況での入院ということで、個室にした。人が来ないときはノーマスク、誰か来たらマスクをつけていたが、術後あわててマスクしようとしていたら「そのままで大丈夫」とのこと。医療従事者の皆さんが、ワクチン接種済みだからか?
  • 画面を見て読むだけでも体力使う。書くと疲れ果てる。これが退院後も暫く続いた。
  • 同じ日に手術だった人たちと、Twitterでリアルタイムにやりとりできたのは、とても支えられた。朝イチの人に「いってらっしゃい」とか、先に回復した人がいたわりの言葉を書けるとか。まるで大部屋にいるような感覚だった。
  • 病院の食事はとても美味しかった!牛乳はタカナシ!

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    病院食のタカナシ牛乳

 

*1:既に削除済み。

*2:あまりにも鼻PCRが恐怖すぎて怯えまくっていたら、そーーーっとやってくれました