ペンギン日記(旧akoblog)

identityやprivacyに関心を持つ大学教員のブログ。20歳の頃から「ペンギンみたい」と言われるのでペンギン日記。

2019年を振り返って

あっという間に過ぎた一年で、執筆すべき原稿を仕上げられなかった後悔が残っている。一方で、それぞれ別々に進めていた研究テーマが、自分の中で納得できる一つの流れれとして感じられたのは大きかった。子どもから青少年、そして死後に至るまで、あらゆるデータに囲まれた世界でどうやって自分のアイデンティティを生きていくか、という話になるのだと思う。

 

なお、今年はメディアに少しずつ取り上げていただいた。TV(読売TV)ラジオ(NHK)、新聞(日本経済新聞)、雑誌(FLASHサイゾー、ダイヤモンドオンライン)等。一方で、論文はrejectを食らいまくったのもあり、一本期待を持てるのがあるのみ。なかなか試練。

 

1月:予防接種をしていたのにインフルエンザA罹患。熱はそれほど上がらずに済んだが頭痛辛し。詳細なシラバス執筆の作業に追われつつ、さらに小学校入学説明会の書類の多さに頭がクラクラした。

 

2月:なぜか記憶がない。論文を書いていた気がする。

 

3月:シンガポールへ出張(RISTEX関連)*1Better Internet フェイクニュースの話題が多めだったが、基本的に子ども達が自分でネットを使いこなしていくことを前提にしているのは日本と大きく違っていた。サイバーセキュリティも「国防」としての位置づけ。直後に情報処理学会全国大会@福岡大学で毎年恒例のパネリスト。上の子の卒園式では涙。6年間の保育園生活が終わった。春休みは北関東〜福島に家族旅行。応援していた、青野慶久さんの夫婦別姓訴訟が東京地裁で棄却に。傍聴に行っていたが、呆然とした。

 

4月:科研費(基盤B)採択!テーマは「情報ネットワーク社会における『死』の再定義」。これは本当に嬉しかった。4月1日は末っ子が発熱で一緒に家にいたのだけど、Webで採択結果を見て「やったー!」と喜んだら、一緒に「やったー」と言ってくれた(笑)。プライベートでは、上の子の小学校入学。そもそも4月頭から学童通いで弁当作りも始まったし、しばらくは投稿も親が付き添い。なお、下の子達を保育園に送る途中で自転車に引っかけられて転倒。暫く腕が上がらない状況で困った。自転車でも交通事故なのですぐ警察に行くべし。

 

5月:平成から令和へ。連休中に北関東へ家族旅行。Facebook  Global Safety and Well-Being Summitに参加させていただく。青少年のsafety関連がメインの目的だったが、自殺や遺族のコミュニティの話が印象に残った。

about.fb.comまた、Summitが終わってから、911メモリアルミュージアムへ駆け込んだ。これは衝撃的すぎて、しばらく言葉も無かった。故人の名前には印がつけられており(生存者と区別している)、亡くなる直前の声を聞くことも出来た。死後のデータを残すことの意味も同時に考えさせられた。

www.911memorial.org

下旬には、急いでパスポート更新。また、「ウエークアップ!ぷらす」でデジタル遺品について取材VTRが取り上げられた。

 

6月:本学の創造祭・スポーツフェスティバルに初参加。EIP/SITE合同研究会 のローカルアレンジ@KGU関内メディアセンター。滞りなく終わって一安心。情報法制シンポジウムで信用スコアのパネルに登壇の機会をいただく。この機会は後々とても役だった。中旬にはマレーシア・クアラルンプールにてGWS2019- 6th International Conference on Gender and Women's Studies 2019に参加し、日本での複数の姓を持つ家族についての意識調査の結果を発表。クアラルンプールでは、キラキラのビルと小汚い建物の対比に驚かされた。下旬には、情報通信学会で討論者@白鴎大学

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7月:地域の夏祭りに子ども会で出店する係になっていたので、その準備でバタバタ。小学校の夏休みも始まり、猛暑に耐えうる弁当作り(たまには学童で購入)が始まる。夏休みは隙を見て家族旅行。またも北関東。

 

8月:東京大学の渡邉研究室の「記憶の解凍」プロジェクトに大きく衝撃を受け、その勢いで祖父母の写真のカラー化を進めまくった結果、左手に力が入らなくなりVDT作業を禁じられてしまう。下旬には、情報社会学会で司会を務める。また、理事を拝命。

labo.wtnv.jp

 

9月:イギリス・バース大学で開催された

14th International Conference on the Social Context of Death, Dying and Disposal(DDD) に参加し研究発表。事件・事故の犠牲者のソーシャルメディアと報道についての調査結果を報告した。死に関する研究がともかく多数集まっていて、基調講演では法医学と歴史の話でご遺体の写真バンバン出てくるし、レジストレーションの前は写真のような状況だし、エクスカーションは夕暮れ〜夜の墓地という、ひたすら死について考え続ける学会だった。また、日本は30度超えというのにバースは15度前後で、暖房がつかない学生寮ではブルブル震えながら寝る羽目に。

 

往路はBAのPYに乗ったのだが、びっくりするほど乗り心地がよかった。鉄道もバスも、アプリで事前に予約しかざすのみ。現金を全く使わずに移動できたが、一方でバッテリを切らしたら何もできない不安もあった。

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DDD14のレジストレーションの隣



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BA-PYの機内食

 

下旬には、EIP85/DPS180で石川県・金沢へ。ここでは、SNS利用状況と死後のデータの扱いの意向について報告。

 

10月:いろいろなイレギュラー発生で上旬は身動きとれず。台風凄まじかった。科研Bの第1回研究会@岡山にて弁護士・吉井和明先生のご講演をいただく。下旬にはFacebook APAC Safety Summit@バンコク。台湾のiWinの方々とも再会できて、教材についてお互いにupdate。國領研の後輩岩嵜さんとディナー。日経新聞の日曜版「死者のプライバシーは守れるか」で取り上げていただいた。

11月:延び延びになっていた静脈鎮静での歯科治療。昨年の神経直接麻酔注射がよほど恐怖だったのか、伝達麻酔しても痛みを感じるほどで治療にならず、鶴見大学病院に紹介状書いてもらった。記憶もふっとんですっきり。クロサカさんとの対談の機会をいただく。ここでスッと自分のやっていたことがまとまった。

12月:信用スコアに関して取材に応じた記事がダイヤモンド・オンラインに掲載。科研B第2回研究会では、千葉工業大学・藤田茂先生のご講演をいただく。25日夜は、初めてのラジオ生出演(Nらじ)。

 

本年は大変お世話になりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:出張前日にぎっくり腰になり、やっと歩きながら出かけていった。チャイナタウンで足のマッサージを受けたら、劇的回復でその後はスタスタ。