帰りに、デモの後のシンタグマ付近を通った。所々、ノドや鼻につんと来る。催涙ガスの残りだ。大きく迂回して、動いているメトロの駅に向かって歩いていた。同行者の二人と、ギリシャ人のApostolosとの4人で。
火をつけられて燃やされたゴミ。この黒い煙が山の上から見えていたのだ。これを見たApostolosは、「収集されなくて困っていたのでちょうど良かった」と言う。
動いているメトロを探して、オモニア駅に行くも、ここでは路線がすべてストップ。別の駅に向かって歩く途中、前方からやってくる人たちが皆、顔をハンカチやタオルで覆っていることに気づいた。ぴりぴりする。こちらも顔を覆って歩いていたが、あっという間に左目が痛くて開かなくなった。催涙ガスは、涙が出るわけではなくて、ただ痛い。かろうじて右目を細く空け、同行者に手を引いてもらってメトロに乗り込んだ。目を押えて座り込んでいると、救護士らしき人が通りかかり、生理食塩水を分けてくれて目を洗った。コンタクトレンズを外してすぐに楽になったものの、やはり動揺はする。デモの度に、救護を担当する人がメトロ内や周辺を巡回しているそうだ。
のんびりした日常の一方で、催涙ガスがあり、ストで動かないメトロがあり、通常通りやっている酒場がある。。一言ではレポートできない一日だった。