ペンギン日記(旧akoblog)

identityやprivacyに関心を持つ大学教員のブログ。20歳の頃から「ペンギンみたい」と言われるのでペンギン日記。

情報社会学会2007年度 研究発表大会

情報社会学会の研究発表大会に参加した。今回は、事務局、運営委員に加えて研究発表をすることができた。
参加者は50名ほど。シングルセッションで進行したので、時間はぎりぎりになってしまった。

受付や裏方と行ったり来たりだったのだが、大田さん(早稲田)のInternet Constitutionについての発表、ゲスト鈴木寛参議院議員セカンドライフについての発表が面白かった。両者とも、私が考えている匿名性とidentityの使い分け、かつ責任の所在を担保するという問題に関連すると考えられた。

リアルとバーチャルという視座が改めて出てきたのも、興味深い。テキストだけのコミュニケーションでは表現できなかった、「相手の方向を向いて話す」というノンバーバルな部分が、技術的に実現可能になったことで、インターネットが「視覚的匿名性を持つ」、すなわち顔が見えないコミュニケーションであるという前提が崩れる可能性があるのだ。すると、ネットの持つ匿名性は、社会的コンテクストの切り替えという意味になるのではないだろうか?

さて、私の発表は最終セッションにて、以下の通り。

折田明子・三木草・小川美香子

「発信しづらい情報交換における匿名性の効果〜ダイエット食品クチコミ調査から」

先行研究のまとめ、リンク可能性&履歴追跡可能性から組んだ匿名性レベル、そしてデータによる分析。他のトピックでの情報交換では同様の結果になるのかどうか。このモデルを今後発展させて考える必要がありそうだ。

懇親会では居酒屋にて、セッションで話し足りなかった分盛り上がった。

今年から学会ではSNSを導入予定。こうしたface to faceの機会を継続させていくためにも活用したい。