ペンギン日記(旧akoblog)

identityやprivacyに関心を持つ大学教員のブログ。20歳の頃から「ペンギンみたい」と言われるのでペンギン日記。

MANGA Workshop

(このエントリは後日書いています)
エーゲ海大学での会議最終日。
朝のセッションの時間をいただいて、われわれがビジネス教育の手段として取り組んでいる、マンガ教材のワークショップを行った。今回選んだマンガは(英訳したもの)、ベンチャー企業とのビジネス交渉のワンシーンを取り上げたものだ。このマンガ教材は、読んで理解できるものではなく、一見するとさっと読めてしまうもの。これに問いを組み合わせることで、受講者のレベルに合わせつつ様々な気付きを喚起したり、意思決定の訓練を行ったりするものだ。

この背景には、

  • 読むことによって理解し、分析する観点から議論する「ケーススタディ
  • 問いや討議との組み合わせによって意思決定を議論する「ケースメソッド」
  • 物語に没入し、場面ごとに自分ならどうするかを考える「ナラティブアプローチ」

というものがある。けど、これらは文字で書かれているゆえに、既に記述されたり説明されたりする。描画を示すことで、読む人が自分で言語化してみようというのが、マンガ教材のねらいの一つだ。


予想以上の大入りでどぎまぎ。学生の参加者も多く、モデレータのApostolosが、急遽ギリシャ語に翻訳しながら進めてくれることになった。教材のコンセプトの説明は、私が話し、彼が翻訳する形で進めた。
後半は、思い切ってホール全体でのマンガ教材の討議。読み取り方を問にして、会社の文化や雰囲気、人と接するときのやり方に焦点を当ててみた。

ワンマンで、名刺交換の際にぬっと握手をする社長をどう評価するか。日本で実施した講義では、この社長の評価はあまり高くないし、こちらもその意図で作っている。しかし、ギリシャのエーゲ大学学生からの印象は「よくいる上司」。「彼は欧州から来たのだと思う」とまで言われた。握手をするのは失礼ではないし、部下を差し置いて発言するのもよくあることだと言う。オフィスの広さや設えは、ギリシャと日本では違うようだが、絵で共有しているので、それはそれという前提で、コミュニケーションに集中して話ができる。思いがけず、こちらにも発見があった。


なお、このWSではちょっとした演出を。Apostolosは、私たちがプレゼントした作務衣を着て、私たちは季節外れの浴衣(着替えやすさを考えて。日本ではやりませんが)。和服は珍しがられた。