ペンギン日記(旧akoblog)

identityやprivacyに関心を持つ大学教員のブログ。20歳の頃から「ペンギンみたい」と言われるのでペンギン日記。

翻訳者の仕事をリアルに聞きました!

※このエントリは後日書いています。

私が担当している「メディア・イングリッシュI」の講義では、英字新聞を元にした教科書を使って、英文の記事を読む練習をしている。中身をしっかり読んで意見を書いてもらったり、実際の英字新聞サイトを読んでもらったりと、予習分量の多い講義だ。

5月16日は、フリーランスの翻訳家、石橋啓一郎さんをゲスト講師としてお迎えし、講義をいただいた。
石橋さんは、CNET Japanにおいてニュース翻訳をされている他、産業翻訳、ゲーム翻訳などをされている。英文科卒でもなく、翻訳学校に通ったわけでもない石橋さんは、どのように翻訳者となり、どのように仕事をしているのかをお話してくださった。

印象的だったのは、インターネット上のツールを駆使されている点だ。翻訳者として登録するサイト、米国にいる依頼者とのSkypeでのやりとり。翻訳メモリという道具の活用や、Web上で英語表現を検索していくことなど、私がイメージしていた「紙と辞書と鉛筆」といった翻訳とは全然違っていた。翻訳語を揃えていくこと、前例を使っていくことなど、翻訳者同士の知恵をシェアできることも初めて知った。翻訳において役立つリンクを、受講生にリストで教えていただいたこともありがたい。

学生からは「ノマドでも仕事できるということですか?」という質問が出たが、それに対しては「むしろ家から一歩も出ずに仕事ができる」という答え。大きなディスプレイを並べた作業環境は、外では作れないというお話だった。

ちなみに、石橋さんは、もともと慶應義塾大学修士課程在籍中の大先輩。インターネット全般について研究する村井純研究室において、技術や社会について研究グループでご一緒していた。テクノロジの活用という意味で、石橋さんの姿勢は変わらないなあ、という印象も持った。