ペンギン日記(旧akoblog)

identityやprivacyに関心を持つ大学教員のブログ。20歳の頃から「ペンギンみたい」と言われるのでペンギン日記。

JWEIN2010で講演

21日土曜日。午後から田町へ。日本ソフトウェア科学会・ネットワークが創発する知能研究会にて、招待講演の機会をいただいた。私を含め、3名が講演をし、最後にパネルディスカッションという運びだ。

日本ソフトウェア科学会 ネットワークが創発する知能研究会 JWEIN10
http://www.ai.sanken.osaka-u.ac.jp/ndei/index.php?cmd=read&page=jwein_summer_2010

私の演題は、「意図せず生まれる知識共有」。投稿すること・しないこと自体を含め、意図的であれ無意識であれ、発信された情報が、ユーザごとに識別され蓄積され、共有されることについてお話した。実名・仮名・匿名という「名乗り」と、識別子としての「ID」の違いを整理した上で、情報共有が不本意な形にならないように、という構成でお話した。若干、リスクに対して慎重という方向性になったかもしれない。講演の後は、デジタル化された情報が、意図せずいろいろ拡散するとしたら、それはどのように扱うべきなのか、制度の仕組みとしてこうした事態は把握されているのか、といった質問をいただいた。自分の情報のfakeを入れるとしたら、自分は守れるかもしれないが、全体としての利益は損なわれる。それはどうすべきですか?という問いは、その場ではお答えできなかったが、しばらくの課題になりそうだ。

引き続いて、理化学研究所の中谷裕教さんは「将棋棋士の駒組認識」についてご講演。駒組を見たときに、プロ棋士と素人ではどのような認知の違いがあるのか、その際の脳波の形の違いを紹介されながらお話された。三人目は、産総研の堀本勝久さん「システム生物学研究におけるネットワーク解析」。…難しかった。。

パネルディスカッションは「意識」というお題が与えられた。この三名のパネルは難しい。私は、共感覚からマンガ教材まで、ばらばらと落ち着かない話になってしまった気がする。やや反省。ただ、懇親会にかけて、マンガ教材についてお話できたのは思わぬ収穫だった。講演とからめた話でいえば、意識と無意識、いや、意図的というべきか。ネット利用における人間の行動は、どう位置づけて、かつモデル化していくかは課題だらけだ。