ペンギン日記(旧akoblog)

identityやprivacyに関心を持つ大学教員のブログ。20歳の頃から「ペンギンみたい」と言われるのでペンギン日記。

ITS2010にてモバイルユーザのプライバシについて発表

早稲田大学で開催された、ITS2010会議に参加し、研究発表をした。会場では知人にもちらほらお目にかかる。発表を事前にチェックしていなかったので、知人の発表を見に行けなかったのが残念!

International Telecommunication Society (ITS)
18th Biennial and Silver Anniversary Conference
http://www.its2010tokyo.com/

今回の発表は、昨年度KDDI総研との共同研究によるものだ。昨年調査を実施し、分析し、考察した結果をご報告した。

Akiko ORITA and Masahiko Fujiwara
"Privacy or Benefit?:Users'attitude towards mobile social media usage"

セッション全体がSNSについてまとめられていたが、それぞれのプライバシ意識は異なっていておもしろい。デンマークでは誰もがFacebookのアカウントを持っていて、実名とプロフィール、行動情報の提供に抵抗がないという。一方、台湾の状況は日本と似ていて、プライバシ意識は高いものの、実際には自分の情報を積極的に提供しているという。私が報告した内容では、いわゆる一般携帯(ガラケー)の利用者は、位置情報サービスについて無自覚でありながら、自分がいる場所の周辺情報を知りたがったり、クーポンを入手したり便益を得ようという行動が見られた。

スマートフォンだとどう変わるだろうか。国ごとの違いはどうだろうか。グローバルに提供されるサービスは、使い方の習慣(文化と言うかもしれない)の理解に基づいて設計すべきだと考えている。特に、プライバシに関しては。

参加者とは、またの再会と、引き続きの議論の約束をして別れたが、その夜早速メールの交換など。この勢いがあるから、国際会議は楽しい。