ペンギン日記(旧akoblog)

identityやprivacyに関心を持つ大学教員のブログ。20歳の頃から「ペンギンみたい」と言われるのでペンギン日記。

夫婦別姓はもはや「家族観」というより「ID登録」の問題

婚姻制度が崩壊するという懸念があるようだが、このままこの法案を放置するなら、婚姻制度はますます崩壊する。いや、今だって崩壊しつつあるのだ。

  • 旧姓を保持するために書類上で結婚と離婚を繰り返す。
  • 事実婚夫婦の住民票は「妻(未届)」、戸籍は独身扱い。身分関係登録に齟齬がある。
  • 戸籍姓とは異なる旧姓でサインをする

等々、わが国が持っている「戸籍」と「住民票(世帯)」という身分登録制度は、今や「裏技」によって崩壊しつつある。この国が、結婚というものを国に登録すべしと考えているのか、それとも結婚とは同じ名字になることと考えているのか、それによって制度設計は変わってくるのだけれど、今や後者にこだわるあまり身分登録の機能不全を起こしている状況に見えるのだがなあ。