ペンギン日記(旧akoblog)

identityやprivacyに関心を持つ大学教員のブログ。20歳の頃から「ペンギンみたい」と言われるのでペンギン日記。

シリコンバレー in Tokyo@THE NEW CONTEXT CONFERNCE

通称「コンカン」@恵比寿ガーデンホールに参加。
http://www.garage.co.jp/ncc2008/
今年のテーマは「オープン・ネットワークが生む『ポストWeb2.0』」。今回は、春から慶應義塾大学國領二郎先生、Joi Labの伊藤穣一さん、山崎富美さんとともに取り組んできたLinkedInプロジェクトの集大成。これまでのビデオインタビューシリーズや調査結果を含めたセッションだ。

15:30 - 17:00 セッション1-3:人材
シリコンバレー in Tokyo」
Ellen Levy氏(LinkedIn)
國領二郎氏(慶應義塾大学総合政策学部教授)
Julie Hanna Farris氏(Board of Social Text)
安田幹広氏(カカクコム取締役COO)

今回のセッションから考えたことを以下に。
日本人は実名より匿名を好む、というデータが調査からも得られた。が、プライベートな目的では匿名を好むけれど、仕事ならば実名の公開やむなしと。ちなみに、ここでいう匿名は、anonymous(名無し)というより、pseudonymous(仮名)の意味。nicknameというと、Robert→Billというイメージがあり、英語圏では捉え方が異なることに注意したほうがよさそうだ。

ところで、以前NIKKEI NETにLinkedInの記事を書いたとき、こんなことを書いていた。

LinkedInが日記や趣味的な要素を排除してビジネスに特化していることは、こうした流れとは逆行している。しかしこの特徴によって、匿名志向の強い日本でも、ビジネスとプライベート、実名と匿名という住み分けが受け入れられるのではないかと期待している。
「日本で実名制は受け入れられるか・ビジネスSNSのLinkedIn(3)」
http://it.nikkei.co.jp/internet/column/netkenkyu.aspx?n=MMIT2E000025062008

今回のセッションで、LinkedIn社のEllen Levy氏は、"professional networking"と"social networking"を区別し、前者はあくまでビジネス用途で実名を使うが、名刺交換を思い浮かべてもらえば良いと述べ、後者はブログやSNSなど交流を楽しむものだと説明した。ちなみに、彼女は後者の"social"なネットワーキングはしないとのことだ。

日本人ユーザは確かに、"social"なネットワーキングが活発だし、それらはclosedだったり実名を隠したものだったりするけれど、"business"なネットワーキングには腰が引けているように思う。名刺を交換するのはいいけれど、それをオンラインにしたくない理由はなんだろう?

…ということを考えた。