ペンギン日記(旧akoblog)

identityやprivacyに関心を持つ大学教員のブログ。20歳の頃から「ペンギンみたい」と言われるのでペンギン日記。

博論は出発点であることを実感する

今日まで事務室が休みなので、思い切って机の上を整理した。ちょうど一年前に博論の審査委員の先生方から戴いたコメントが出てきた。これを読んでいると、博論を仕上げるプロセスではあるものの、博論の後取り組んでいることや考えていることにつながっていて驚く。

例えば、副査(金子先生)からは「匿名性というとき、誰の視点からその概念を使っているか」についての指摘をいただいている。これはその後、智場やSHIP原稿に「匿名性を扱うレイヤ」として反映させたが、このレイヤ構造を整理できたのは博論の後だった。また、副査(村井先生)の「ユーザが<これは匿名だ>と思い込んでいる部分と、実際はどうなのかという部分の対比は>」という指摘は、博論の後のテーマ形成―匿名性を対立軸ではなく、構造的に理解すること―につながっている。

当時のメモから:

  • userのperceptionと実際はどう違うか/perceptionとsystem、gapをコントロールする。では、誰が何をコントロールするのか
  • userの誤解か、理解か。userはsystemを理解して使っているのか