佐賀大学理工学部の集中講義「情報と職業」の中で、講演をさせていただいた。
内容は、博士研究で取り組んでいる、ネットを介した情報交換と匿名性について。今回は博士論文にはまとめなかった事例も含め、できるだけ具体的に説明することを心がけて準備した。
受講生は26名。なんと全員男子学生だった。この他、学科の先生方も駆けつけて下さり、実は内心とても緊張してしまった。さらに緊張したのは、学生のみなさんが、ノートを取っていたことだ。身が引き締まる思いがする。
ネットで見ず知らずの人同士が助け合っていることは、不思議だと思っていた。しかし、見知らぬ人に道を聞かれて答える、といった行為は、多くの人が経験している。こうした助けあいが、ネット上で発生していること、それによっていろいろな問題が解決していることを、事例を紹介しながら説明した。さらに、ネットは匿名だというけれど、それは設計する視点から見れば、(1)本人への到達性と(2)発言のリンク可能性という軸に分けられることと、それらの組み合わせで場の匿名性をカスタマイズできることをお話した。
今後、システム設計で活躍される皆さんのお役に立てれば幸いと思う。
終了後には、先生方からもコメントをいただくことができ、特に「匿名性に対して性善説に立っていますね」というコメントは、今後の宿題を示唆されたと思う。
講義の直後、台風5号の影響でその後の授業は休講に。ぎりぎりのタイミングで、貴重な機会をいただいた。今回、さまざまな配慮をいただいた佐賀大学理工学部の先生方、國領研先輩の飯盛先生に感謝したい。