ペンギン日記(旧akoblog)

identityやprivacyに関心を持つ大学教員のブログ。20歳の頃から「ペンギンみたい」と言われるのでペンギン日記。

Yahoo!スコアへの強烈な違和感

6月3日プレスリリースされた「Yahoo!スコア」について、藤代裕之さんのブログ記事や、Facebookでの友人たちの反応から知った。

慌ててメールをあさったが、Yahoo! JAPANからこのサービス開始についてのメールは届いていない。しかも、初期状態ではスコア利用は「オン」になっていたため、敢えてプレスリリースを自分からチェックしない限りは、同意したものとして自分のスコアが作られ使われる状態にあったということだ。

慌ててアクセスして「オフ」にした際に、パートナー企業におけるスコアの利用について同じページに書かれていたが、さすがにオプトインで、同意したユーザのみとなるとのことだった。ID連携の際の同意でスコア利用となり、後から無効化のオプトアウトだった。

 

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about.yahoo.co.jp

Yahoo!スコアで利用するデータについては、ヘルプページに記載はされているが、藤代さんのブログでは確認できた「※なお、お客様ご自身のYahoo!スコアを確認できる機能についても、今後提供することを検討してまいります」という記述は、6月8日(土)の午後時点、以下のページでは見つけられない。自分のスコアも確認できない状況で、どうやってそのスコアの提供可否を判断しろというのだろうか?

www.yahoo-help.jp

 

そして、一企業によるこのスコアリングは、どういったものになるのか。カテゴリーと利用データを見ていても、疑問は多い。本人確認はまだしも、消費行動やサービス利用となると、ここには恣意的な判断基準が使われうる懸念が拭えない。たとえば、Yahoo! ブログで書いた記事が、一部の読者の批判を受けたとしたら?議論を巻き起こすようなものになったとしたら?他のユーザが意図的に悪い評価をつける、といったことおきたら?Yahoo!JAPANのサービスを批判したら?それらがすべてネガティブ評価となり、他のサービスを受ける上での不利益になるという可能性は、本当にないのだろうか。

 

自分でも確認できないスコアリングのために、ネット上では無難な言論しか表明できず、想定された「いい子」のユーザになることを求められるのかと、強烈に違和感を覚えているのが正直な気持ちだ。自分のデータは自分のものであるはずなのに。

 

ともかく、このサービスの存在、そしてオプトアウトは可能だということは、すぐにでも全ユーザに知らせるべきことだ。

 

追記:6月9日 10:50時点のスクリーンショット。やはり、自分に関するスコア確認についての記述はない。

 

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2019-06-09-1050スクリーンショット