ペンギン日記(旧akoblog)

identityやprivacyに関心を持つ大学教員のブログ。20歳の頃から「ペンギンみたい」と言われるのでペンギン日記。

「アナと雪の女王」は心地よかった

明日の紅白歌合戦でもLet it goが歌われるようだし、今年は各所で「アナ雪」の評判を聞いた。男性に頼らないヒロイン像といった評価も多かったようだけど、どうもそれだけでは説明しきれない気がする。それに、アナ雪に登場する男性たちは頼もしいし魅力的だ。ハンス王子だって、本人なりの悩みがあってあのような行動に出たんだろうと思えるほど。頼らないとか自立とか、そういう大仰なもの以前に、細かいところでちゃんと作られてた映画だと私は感じたのだ。

アナ雪は、女子がストレスなく観られる映画だったと思う。

いわゆる「助けられるだけのお姫様」という形にはめられることもなく、男性キャラとは互いに助けたり助けられたりの場面があり、それでいてドレスを捨てたり断髪したりして男になろうとしなくてもいい。ちょっとやだな、というひっかかがなく観られたのが、私にとっては心地よかった。無理矢理切り開いたりしなくても、細部において「男(女)はかくあるべし」的なジェンダーの縛りがないことが。

そりごと落ちかけたクリストフを、とっさにアナが助けるシーンもよかった。女の子が男の子を助ける、その逆もある、というのが目に見えるのはよかったな。

ディズニーではムーランも好きだったけど、女であることを隠さなくちゃいけない前提は、自分はちょっと息苦しくなってしまう。当たり前の場面にストレスがない、それを小さいころから目にすることができる今の子どもたちが、ちょっと羨ましくもなった。