ペンギン日記(旧akoblog)

identityやprivacyに関心を持つ大学教員のブログ。20歳の頃から「ペンギンみたい」と言われるのでペンギン日記。

情報処理学会山下記念研究賞を受賞しました

(このエントリは後日書いています)

情報処理学会の山下記念研究賞を受賞しました。

http://www.ipsj.or.jp/award/yamasita2013-detail.html#eip

受賞の対象になったのは、2012年9月のGN/DPS/EIP合同研究会で発表した、「ソーシャルメディア利用における亡くなったユーザ情報の扱いに関する一考察」という研究報告に関してです。まさに問題意識を整理し、調べ始めたという萌芽研究でしたが、問題設定について評価をいただき、EIP研究会から推薦をいただきました。

いろいろな経緯があって、この問題意識にたどり着いたのですが、その前提には現在科研費で取り組んでいる「実名を再定義する」というプロセスがありました。そこから、故人の確認や故人のプライバシーというものが存在するのか?といった問題意識に広がりました。
自分が遺されたとき、故人の情報はどう扱うべきか。あるいは自分が亡くなったらどうして欲しいのか。継続的に調べていると、たとえばTwitterでは、2012年時点では、故人のアカウントをそのまま保存するか削除するか選べたのが、現在は削除だけになっていたり、GoogleではInactive Account Manager(アカウント無効化ツール)というサービスが出てきたりと、変化が見られます。日本では明確なポリシーを持っているサービスをまだ見つけられません。

誰もが必ず死ぬことを考えると、死後の情報、特にソーシャルという文脈での情報をどのように扱いたいか、きちんと向き合って考えていかなくてはと思っています。