ペンギン日記(旧akoblog)

identityやprivacyに関心を持つ大学教員のブログ。20歳の頃から「ペンギンみたい」と言われるのでペンギン日記。

ポスター発表

今回は、2つのポスター発表だ。1つは、発言小町の調査結果から、「仮名」のオンライン掲示板になぜ人が集まるのか?というもの。もう1つは、マンガ教材の学習効果を測定する試みについて、こちらは東京工業大学修士課程の内田さんらとの共著。

Akiko Orita and Asako Miura “Why do so many women visit“pseudonymous” online forum? - A case of “Hatsugen-Komachi” in Japan-”

Hikaru Uchida, Akiko Orita, Masaaki Kunigami, Atsushi Yoshikawa and Takao Terano“Persona Conjoint Method: Measuring Learners' Latent Understandings and the Effect of Stereotypes in Complex Business Situations”


発言小町の説明をすると、「ユーザ登録やプロフィールページがないサイトが
これだけの規模で運営できるのはすごい」というコメントが返ってきた。ソーシャルメディアドミナントなものといえば、やはりFacebook。これを基準に考えると、ある意味レガシーなオンライン掲示板がアクティブで、かつ新聞社がこうしたサイトを持っていることに驚かれた。

匿名性については、ヘビーユーザほど、ハンドルを変える傾向があることは意外、という反応。一方で、米国では、Facebookがほとんどで、仕事とプライベートのコンテクストを分けづらくなっているのがストレスとも言う。もちろん、従来のオンラインフォーラムやチャットでは、その場限りのハンドルを使うと言うが。Twitterでは仮名にしても、結局他のサービスと結びつけてしまうので、誰かがわかりやすいというコメントもあった。

また、他のポスター発表者で、Facebookの投稿をする際に「1週間」「1ヶ月」と掲載期限を決めて投稿できる仕組みを作っている人がいた。
「そのときはいいけれど、後になって「あのときこういった」と引用されることが息苦しくなる。時間を置いたら消える仕組みが、ネットでは必要になるのでは?」ということ。特に、つい仮名(ハンドル)で投稿したり、思いつきをTwitterで投稿したりしたものは、油断しているので、後で消したくなるのでは?という話だった。

Kennesaw State Univ.で教えていた頃、「アメリカ人が常にすべて実名でオンラインに居るわけじゃない」という記事を書いたが、今回はそれに加えて、SNSで疲れる感覚も持っている人がいる感覚があった。