ペンギン日記(旧akoblog)

identityやprivacyに関心を持つ大学教員のブログ。20歳の頃から「ペンギンみたい」と言われるのでペンギン日記。

本日を以て中央大学ビジネススクールを退職します

本日を以て、中央大学大学院戦略経営研究科(ビジネススクール)の助教を退職いたします。2008年4月より2年間、設立当初の一員として、先日一期生の皆さんの修了を見とどけた上で、私も「修了」することとなりました。

中央大学では、科目を独自に担当することはありませんでしたが、他の先生方の講義をお手伝いし(それこそコピー取りや出席確認から、ネットに関する講義担当まで)、ある意味教授法のOJTのようなものだったな、とも感じています。自分が講義を行う際も、ビジネススクールは受講生が社会人の方々なので、お互いが持っている知や経験を提供し合い、あらたな気づきが生まれることにわくわくしていました。CBSジャーナルの第一号を編集長補佐として編集し、在学生の皆さんのインタビューを記事としてとりまとめたことも、手元に残る印象深い思い出です。

個人研究室を都心(後楽園)に戴き、多くの方々との出会いもありました。産学での共同プロジェクト、ワークショップ運営など、研究や発表の「場」を作る仕事も数多く携わることができました。

研究の面でも、博士論文で取りかかったオンラインの匿名性の話から、ID、プライバシ、そして実空間のデータやライフログと言ったように範囲を広げつつあります。実証分析や理論研究など、深める時間も頂けたことは、とてもありがたいことだと思います。

新しい研究テーマとの出会いもありました。中央大学の指導教授(助教にはアドバイザの先生がついて下さるのです)である山本秀男教授らとは、ケースメソッドを拡張したマンガによるアドバンスト・ケース教材を作成し、教授法の研究を進めています。3月には、カーネギーメロン大学で開催されたCSEETでワークショップを持つこともできました。

2年間の間に、分担執筆の著書1件、論文誌4件、国際会議6件(うち招待2件)、国内学会12件を残すことができました。これは、2007-2008、2009-からのそれぞれの科研費に負うところも大変大きいと思っています(大事に使ってフィードバックします!)。
幸いなことに、2009年には情報社会学会にて優秀論文賞、2010年3月には中央大学から学術研究奨励賞を頂きました。まだまだ課題も多く、深めるべきところも多い課題ですが、これらを元にさらなるご指導を頂ければと思っています。
中央大学の先生方、卒業生の方、在校生の方とはFacebookTwitterでもつながっているので、さらにご縁が広がればよいなと思っています。

2年間大変お世話になりました。ありがとうございます。感謝を込めて。