ペンギン日記(旧akoblog)

identityやprivacyに関心を持つ大学教員のブログ。20歳の頃から「ペンギンみたい」と言われるのでペンギン日記。

デジタルアーカイブへの違和感を超えてフォーラム登壇します

年度末ぎりぎりの3月30日、横浜は関内にて次のフォーラムに登壇予定。
昨年秋から委員として参加していた、総務省関東総合通信局の地域住民参加型デジタルアーカイブの推進に関する調査検討会の結果を踏まえたフォーラムの予定だ。コーディネータは id:arg さんこと、岡本真さん。

地域住民参加型デジタルアーカイブの推進に関するフォーラム
(於・神奈川県/横浜市技能文化会館)
http://www.soumu.go.jp/soutsu/kanto/if/press/p21/p2203/p220308f.html

正直に言おう。「地域住民参加型」とお聞きしたとき、これは私の関心とは遠いととっさに感じてお引き受けできないかもしれないと思っていた。私の関心は、どちらかと言えば地域を越えて人間関係や地理的制約をオーバーレイするコミュニケーションの基盤であり、そのものであり、地域SNSなどもそういう意味ではちょっと距離を置いて考えていた。一方で、個人としては郷土史の本を集めていて、横浜の古い写真集などは本棚をだいぶ占領している。

しかし、検討会のメンバーには、旅行のクチコミサイト・フォートラベルの野田社長もいらっしゃるし、座長は慶應義塾SFCの清木先生。座長代理が岡本さんとのことで、人選は新鮮だった。

検討会を通じて、私はだいぶ大きな誤解をした上で違和感を持っていたのだと気づいた。地域の写真をアーカイブするという面倒なことなんて、誰がするのだろうか?と思っていたけれど、街を歩けばかなりの人がケータイやデジカメで風景を撮っているし、町歩きをしてちょっと美味しいものがあると、食べる前に写真を撮る人もいる。これらは、デジタル化された写真で、タイムスタンプやもしかするとどこの地域にいるかという位置情報も付加されていて、しかもネットにアップロードするなら、アーカイブされる。。。これは、私のように、敢えて「地域」から距離を取っていた人間でも深く関われる問題だと考え直した次第だ。

フォーラムでは、私が普段から取り組んでいる、プライバシーやIDと絡めつつ、個人が自分で集積した情報をどのように発信していけるのか、という可能性についてお話したいと思う。

開催日は迫っているが、ふと空いたお時間があれば、ぜひお立ち寄りいただければと思う。特に、私のように地域と情報という言葉にちょっと距離を取っていた方は、ぜひ。