今月は久々に心ゆくまで本を読んだ。研究費で購入した本、私費で買った本、そして図書館で借りた本など。通勤途中に夢中になって読み、急行電車に乗り換えずに各駅停車で帰ることしばし。いくつかpick upしてご紹介しよう。
まず、何よりもおもしろかった1冊。
- 作者: ローレンスレイター,Lauren Slater,岩坂彰
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2005/08/01
- メディア: 単行本
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ミルグラム実験の章で完全に引き込まれた。服従実験とも呼ばれるこの実験に参加した人へのインタビューまで敢行されているが、実験の際にまったく逆の反応をしたかれらのその後の人生に、実験という行為の重大性を思い知る。科学、特に認識科学の限界も。最終章の「ロボトミー」は、これから読む。以前からなぜそのような非人間的なことが行われ、ノーベル賞まで取ったのかどうしても疑問だったのだ。
勇気づけられる話もある。われわれが「予防注射」できるという話だ。ある場面で、ある行動(書きたいけどネタバレ?)を取らないようにするためには、自分がどのような行動を取りうるのかということを知ることが重要だという。何が弱いかを知っておくことの効果だ。
同じく心理実験の話では、こちらもお勧め。ただし、こちらは読み物としてはやや固い。
- 作者: 鈴木光太郎
- 出版社/メーカー: 新曜社
- 発売日: 2008/10/03
- メディア: 単行本
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応用的な話では、これもおもしろい。電車の中で立ったままひたすら読み続けてしまった。
あなたはなぜ値札にダマされるのか?―不合理な意思決定にひそむスウェイの法則
- 作者: オリブラフマン,ロムブラフマン,Ori Brafman,Rom Brafman,高橋則明
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2008/12
- メディア: 単行本
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最後に毛色の異なる一冊。この本をカバーもせずに電車の中で立ったまま読んでいたら、目の前に座った人が目を丸くして本の背表紙を見ていた。これからはカバーくらいはしようと思う。埋もれていた歴史の話。そして最後まで読むと、どこまでも交わらない「正しさ」に泣きたくなる。
- 作者: 三浦耕喜
- 出版社/メーカー: 作品社
- 発売日: 2009/01/24
- メディア: 単行本
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