ペンギン日記(旧akoblog)

identityやprivacyに関心を持つ大学教員のブログ。20歳の頃から「ペンギンみたい」と言われるのでペンギン日記。

online identityについて議論する

私が発表したセッションには、私を含めて3名がidentityの問題について発表をした。まずは私から。linkabilityで実名・仮名・匿名を分けてlayerの違いを示して…と、ここ一年でやっていることを前提としてデータの紹介。きれいにクラスタに分かれたことと、男性の実名指向、女性の匿名指向などなどご紹介。これはあくまで日本の話だけれど、構造的な枠組みによってcross culturalな比較研究ができればいいとしめくくった。これは査読コメントでも指摘されていたのだ。


写真は井出先生(情処EIPでお世話になっています)に撮っていただいた。

席に戻るとメキシコ国立大学のGerogina先生から名刺とお手紙をいただいた。彼女は心理学者で、ぜひ一緒に分析してみましょうとのこと。ありがたし。

次に発表したRaquelは、3Dを介することで、オンラインのコミュニケーションをface to faceと同等のものにしていきたい、というもの。AR的なところに行くのかな?いわゆるvisual anonymityとか、雰囲気というものを伝えたいようだ。最後に発表したBelは、デジタルアイデンティティの定義を模索中。アンケート調査を実施したところ、オンラインの人格とオフラインの人格は「同じだ」と答えたひとが過半数で、fictionous(つくりももの)人格を演じているという答えはわずかだったという。別の参加者がこの後で「オンラインでは名前を変えるとpersonality が変わるのか?」と質問したのに対し、Belと私は personalityではなくcontextでは?と答えたのだった。

ちなみに、参加中にtwitterに書いていたら、それをそのままのせているFacebook経由でBelが見つけてくれ、私の誤解なども解いてくれた。BelとはFacebookで、RaquelとはLinkedInですぐconnect。今後一緒にやっていこうという話で盛り上がった。セッション後も話しっぱなし。インターネットのグローバル性を考えるなら、identityに関する研究はこうした仲間を世界中に持つことが大事になると思う。