ペンギン日記(旧akoblog)

identityやprivacyに関心を持つ大学教員のブログ。20歳の頃から「ペンギンみたい」と言われるのでペンギン日記。

私の持つ共感覚

番組の紹介では「超能力」なんて書かれていたりもするが、これは能力ではなくて感覚の話。字を見て色を感じる、音を聴いて色を感じるといったように、複数の感覚を同時に感じることを共感覚と言うようだ。詳しくは、ご自身も共感覚者で、学術的に研究をされている長田典子先生のページ「色聴は共感覚」をご参照いただきたい。

  • 文字と色

番組の取材でも、嫌々ながら小学生のころのノートをご紹介したが、私は文字に色が付いていると感じていた。
私のノートをスキャンしたものは、長田研究室の「私の共感覚体験」にご提供しているのでご参照くださいませ。

むろん、黒で印刷してあれば黒ということは分かるのだが、それとは別に、例えば
AB
といった、その文字固有の色を感じるのである。見えているのとは違うかもしれないが。どんな色で印刷していても、Aは赤なので、例えば
A
と印刷されていれば、Aという赤い字が青い色で表示されていると理解している。
固有名詞はカラフルできれいだなあと覚えるし、数字もその色という手がかりがあるので覚えやすいのだが、「小林」さんと「佐藤」さんは色が似ていてつい間違えてしまったりする。
ちなみに、読むのに支障があることはない。むしろ私は読むのが速い方だと思う。少なくとも、40分くらいで文庫本の1冊は軽く読める。

ご自分の名前が、私(折田)には何色に見えているのか、ご関心がある方はご連絡ください。

  • 音と色

音楽や音も色を強く感じるものである。これも「私の共感覚体験」にご提供しているが、7thや9thが入るコードではより多彩なグラデーションが感じられている。絵が浮かぶ、というのとは違い、音が色に感じられるというだけである。色から何らかの絵や風景を連想することはあるが。
自分が作曲するときも、色から入ることが多い。ちなみに、私の弟にもこの感覚があるらしく、音楽について色の表現をふつうに使って話していたように思う。

  • カレンダーと空間

これはNHKの取材でもお答えしたが、今回取り上げられないことになった部分。自分の体の周辺に、暦がある。顔の右横から1月が始まり、自分の前を半円を描くように2月、3月・・と続く。もちろん、それぞれの月には数字の色が付いている。何かの予定を考えるときは、例えば6月〜8月というプロジェクトなら、右斜め前から正面にぐるっと空間をたどるという具合だ。

このほかにも
いろいろあるのだが、自分では気づかないものだ。近頃、夫の観察によって
・日本酒の味と空間(菊姫だと目のあたりでたいらな感覚、八海山だと右斜め上にきーん)
・音楽と空間(コード進行によって本当にふらついたり、空間がねじまがるような感覚)
というものも見つかりつつある。

誰にでも何らかの共感覚はあるだろうと思うので、感じたものをご家族や友達とお話してみることをお勧めします。