ペンギン日記(旧akoblog)

identityやprivacyに関心を持つ大学教員のブログ。20歳の頃から「ペンギンみたい」と言われるのでペンギン日記。

新年度スタート

4月1日になりました。
日本は年度の始まりが4月ですが、自分自身が4月生まれということもあり、いろんなことが新しくなるなーと実感します。

(1)本年度より所属先が改組による新学部・新学科となりました。
メディア・ビジネス心理・グローバルという3領域にカリキュラムを再編し、入学生全員にノートPC配布、3年次にはPBLという新たな試みが始まります。私の専門分野に関わる科目も大幅に増え、こちらも勉強しなければという思いになります。

関東学院大学 人間共生学部 コミュニケーション学科
http://univ.kanto-gakuin.ac.jp/basic/faculty/interhuman_symbiotic_studies.html

(2) 准教授になりました。
2007年に博士号を頂いてから、2008年〜中央大学ビジネススクール助教、2010年〜慶應義塾大学で特任講師(旧:特別研究講師)、2013年〜関東学院大学で専任講師と、ずっと Assistant Professor 歴が長かったのですが、ようやく Associate Professorとなることができました。教育・研究ほか学務が増えると思いますが、一つ一つ大事にやっていこうと思います。

(3) 科研費内定いただきました!
これまでに若手Bを3回、そして今年は初めての基盤C。
ソーシャルメディアにおける死者のデータとプライバシーの再検討」というテーマで内定をいただきました。e-radサイトに午前10時にログインし、審査結果の開示に「該当無し」だったので焦りましたが、「交付内定後の手続き」を見ればよいと判明。ほっとしました。

そんなわけで、2016年度もよろしくお願いします。

被害者報道とソーシャルメディア

事件や事故で亡くなった方について、どう報道するか。以前から疑問に思うことはあった。

被害者について詳しく報道されすぎる。

実名報道する対象が違う気がする(2008/04/10)
実名報道する意味(2008/04/12)

先日の軽井沢スキーバス事故、痛ましい事件ではあったものの、それぞれの方々についてあまりに詳細に報道されること、Facebookでの写真までテレビで報道されることには違和感を持った。
(実はこれ以前にも、新幹線で焼身自殺に巻き込まれて亡くなった女性のFacebookが、夕方のニュースに出てきたときにも違和感を覚えたのだったが)

考えたことは、二つある。

まずは、ソーシャルメディアのプライバシー設定について。
たしかに、Facebookで公開設定となっている写真ならば、使用することに一応問題はないのだろう。一応は。しかし、公開設定の写真が、本当に全世界に公開され、テレビでも報道されることまで想定したものかは疑問だ。私が以前学生達と調査した結果では、あのアイコンが全体公開だと正しく理解している学生は28%程度であった。*1 友人や知人の範囲を前提に個人的な写真を掲載している可能性は否定できない。

自分の死後、自分のアカウントをどうするかという扱いについては、GoogleFacebookでは自分の意図を反映させることができるようになっているが、マスメディアに利用されるというのは、それとは違う角度で考える必要があるだろう。インターネットにそぐわない感覚はあるかもしれないが、それこそ「無断転載禁止」に近いpermission設定だろうか?

もう一つは、故人/死者のプライバシー権、あるいは尊厳について。
個人情報保護法は生存者のみを対象としている。そもそも、故人については、判断がしようもないとも言えるだろう。仮に生前、故人が「これは公開したくない」と希望していなかったとしても、もう異議を唱えることはできないのだ。
故人にプライバシーはないとしても、故人の尊厳ということを考えると、「後ろめたくないことならいいだろう」とは言えないように思う。定義が難しい言葉ではあるが・・。
では遺族はどうか。友人たちはどうか。故人につながる人達のプライバシーという観点になると、なんらかの対処はできそうにも思うが、故人と遺族でその意図も意味も違っていた場合には簡単ではないだろう。

*1:まだアイコンのみだったころの調査。現在はアイコンに説明が付記されている

時間をちゃんと使います宣言

あけましておめでとうございます。
2016年もよろしくお願いいたします。

本年は、4月より私が所属する学部・学科が改組となり、「人間共生学部・コミュニケーション学科」としてスタートします。新たな試み、科目も増えていくので、ますます自分の研究も充実させていかなければ!と思っています。

一方で、昨年を振り返って反省するのは、時間の使い方に無駄が多かったことです。原因は・・わかってます・・スマホゲームでした。ちょうど昨年の早春、夜はだっこで生後3か月の乳児をゆらゆら。片手でできる暇つぶしにパズドラを始めたのがきっかけでした。移動時間にしかやらない、と決めたものの、移動時間が全部パズドラになってしまい、それまでは本や論文を読んでいた時間が失われたのです。帰宅すれば幼子たちがいるので書斎で仕事なんて夢の夢。にもかかわらず、その後、ツムツムにも手を出してしまい、ゲームは中毒性があるなあと身を以て実感しました。大学教員ですらこれですから、学生さんはなおのこと、時間がもったいない!

TwitterやFBに時間を使っていた方が、まだマシでした。誰かとのコミュニケーションや情報収集ですから。

こうしてゲームに消えてしまった時間、今年はインプットとアウトプットにきちんと使おうと思います。年初に宣言。

日常から切り離されないインターネット

インターネットにどこでもつながることが、世界を広げるよりも、日常をどこにでも持って行くことになるな、と実感した。
先日のテキサス出張、飛行機の機内でもネットがつながった。空港でもつながった。日常やりとりをしているLINEグループでのちょっとしたチャット、パズドラを少しやることもできるし、日常の習慣を崩さないまま移動ができる。

非日常のはずなのに、日常がずーっとくっついてまわる。

大学生のころ、インターネットは遠い、非日常に自分を連れて行ってくれるものだった。それが、今は日常の諸々や身近な人達をどこまでも「持参/同伴」に
してしまったなー、と実感した。

ICIS2015参加

AISの年次会議、ICIS2015に参加。今年はPre-ICISの JPAIS/JASMINと、Post-ICISのSocial Inclusion Research (SIG-SI)Workshopで発表してきた(後者やRound Table)。

JPAISでは「ゆりかごから墓場までのプライバシー」として、特に子どもと死後のプライバシーについてのRQ提示。SIG-SIでは、結婚後の名前についてのStruggleというタイトル。最高裁の判決の翌朝のセッションだったので、なんともタイムリーとなった。


ICIS本会議、今回はセッション90分に発表者4人。1人あたり20分程度で発表とQ&Aなので非常に駆け足に感じた。セッションの部屋のネット環境も悪く、論文はその場では落とせず休み時間に手元に落としておき、図は手元で見ながら発表を聞いた。初日はSocial MediaとPrivacyのセッションが続き、"Collective Privacy"や"Privacy Paradox"といった概念と実証分析の発表がおもしろかった。

初めて参加した頃のICIS2005では、90分で発表2名、Discussantもそれぞれついていて、荘厳な?セッションだったのだが・・ICIS2008ではセッションをまとめるDiscussantになり、そのうち発表だけ(しかも駆け足)になってしまった。数多くの研究にふれられるのは有り難いが、もう少し時間欲しいなーというのも正直なところ。

オープニングレセプションには、カウボーイが来ていた。

Networking Lunchはbuffetでこんな感じ。軽食になったなー。

Coffee Breakでは巨大クッキーが並べられた。M&Mチョコが埋まってるクッキーですよ!!

Social Eventでは、Billy Bobsが貸し切りに。ロデオショーを見ることができたが、牛も慣れているのか、カウボーイを落としたあとは追いかけてみるものの、くるっと一巡して自分で引っ込んでいった。

今回も参加者1300名超えとのこと。次回はIreland Dublin。今度こそ本会議に投稿したい!


これまでのICIS参加のブログはこちら。
ICIS2013 @ミラノ・ボッコーニ大学
ICIS2011@上海
ICIS2008@パリ
ICIS2007@モントリオール

シカゴで乗り継ぎ遅延からの振替でダラス・フォートワースへ

ICIS2015に参加のため、成田〜シカゴ〜フォートワースという旅程を取った。本当は直行便を取りたかったが、復路満席で取れず、ANAで昼に到着しようとするとこの日程に。元々は7時35分シカゴ到着、ダラス行きは9時9分発。MCT(Minimum Connecting Time)は90分の空港なので94分の乗り継ぎ時刻はぎりぎり間に合うはずだった。

が、当日到着したのは7時49分。シカゴは入国審査並ぶよなあ・・(前回来たのは2014年3月)と思っていたら、Kiosk端末がずらっと並んでいる光景。ばらばらに手続きしている。端末の言語は日本語も選択可能。パスポートをスキャンし、税関申告も画面でやり(機内で書いた紙のものは不要だった)、右手の指紋を採って写真撮影をしたらプリントアウト。これを審査官に私、パスポートにスタンプを押してもらう。たしかにかなり時間は節約できた。

Automated Passport Control (APC)
http://www.cbp.gov/travel/us-citizens/automated-passport-control-apc

荷物をピックアップできたのが8時ちょうど。再度Unitedのカウンターで預け直すと、バーコードを読んだ端末にターミナルとゲートが表示される。Terminal1 に行けとの指示。空港内の電車に乗りTerminal1に着いたが・・・8時15分。国内線のセキュリティは凄まじい混雑。抜け道はない。泣きそうになりながら、LINEのグループトークANAの番号を教わったり、何をすればいいかを教わったり。そもそも、どうしよー!というときに何か話ができると落ち着くものだ。ありがたい。

8時半、並びながらANAの州顧客サービスセンターに電話するもtoll freeはつながらない。有料電話もかかったがアナウンスが延々と流れるのみ。空港ではboingoのWi-Fiが30分無料で使える。iPhoneでの30分は使い切ったので、iPadを取り出して接続。Googleで「ORD-DFW」と検索すると、便一覧が出る。これは便利。乗り遅れると次のUAでは15時到着、会議に間に合わない・・

8時52分、やっとセキュリティの個別の列に入り、8時58分、セキュリティ終わり。ゲートに走って走って9時2分、ゲートは閉まっていた。

United の Customer Centerに行けと言われ、そのままダッシュ。乗り継ぎが間に合わなかったと継げた。次の便はDFWに15時に着くと言われたが「私はその時刻にはプレゼンテーションをしなくてはならない。できる限り早い便を」とお願いした。「…荷物と別々になるけどいい?荷物はもう移せないから。たぶんあとの便で行くと思う」と言われ「かまわない」と返事。この時点で9時15分すぎ。諸々電話や発見が終わると、Unitedのスタッフはじっと私を見て言った。「いいですか、もう一度走り続けてもらいます。アメリカン航空のチケットを取りました。12時過ぎに着きます。ただし、9時40分には必ず搭乗してください。絶対遅れちゃだめです。では行って!」

既に9時25分。Terminal 1から Terminal3まで、ひたすら走った。こんなに走ったのは、10月にやってしまった骨折以来だ。
リンク先はUnitedのシカゴ空港地図。Terminal1のB7近くのCustomer Centerから、Terminal3のKまで走り続け。ゲートについたのは9時35分。もう喉がからからだったので、ゲートの前の店でクランベリージュースを買ってゲートに入った。9時38分。私の後ろ2人でドアクローズ。

DFW到着は若干早まり、12時過ぎに到着。掲示板を見て、乗るはずだったUnitedのフライトが着くゲートを調べ、そのターミナルに移動してから外に出た。Baggage Claimに行ってみると、なんと荷物は元々のフライトに上手く乗れていた模様。まだぐるぐる回っている荷物をpick upして終了。12時30分!